どこかで聴いた子守唄 MOTHER ◆1989年発売  ◆ジャンル=RPG  ◆発売元=任天堂 開発=APE
ストーリー=現代のアメリカ(と言ってもちょっと昔)が舞台。ある日平和な田舎町で、大人たちが行方不明になったり、ポルターガイスト現象などの事件が起きる。PSI(超能力)を持つ少年が、曽祖父の日記をきっかけに、旅をして仲間を見つけて宇宙人ギーグを倒す。(言葉にすると短い…) ■コピーライター糸井重里がプロデュースしたRPG。マザー2のCMに木村拓哉が出たのが有名。1はファミコンなので知っている人はいてもプレイした人は少ないかも。剣と魔法のRPGが多い中、少年が野球のバットPSIで敵と戦い、パパに電話してセーブし、お金を銀行から下ろすという、斬新な設定が光っていました。
■シンプルな線と絵本っぽい色調の画面、どこか暖かい電子音のBGMが懐かしい感じでした。シンプル故に、子供時代のわくわくするような怖いような感覚が蘇ったりするんですよ。少年がたった一人でお墓に行ったり、誰もいない動物園に行ったり、自分の家の地下室に行ったり。真っ暗な画面に階段がだけが斜めに横切っていて、BGMは単旋律。怖かった…!主人公と一緒に気持ちを味わえるゲームでした。 ■MOTHERのCMを一度だけ見たことがあります。「エンディングまで泣くんじゃない」というキャッチコピーと、子供の合唱曲のBGMが強く印象に残り、弟がソフト買ってきたのをきっかけに初RPGにチャレンジ。あちこちにある8つのメロディを集めるという目的があり、5つぐらいまで集めた時、初めてメロディを通して聴いてみたんですね。「こ、これはCMで流れていた曲だ!」と、びっくり。パズルのピースがはまったような気持ちよさがありました。
音楽もすごく良いです。町ごとにテーマ曲があり、それがまた町の雰囲気にぴったり。好きなのはマザーズデイと、スノーマン、サンクスギビング、マジカントの女王の部屋。ほとんど全部じゃないか…。 ■始めは少年1人で始まった冒険もそのうち仲間が増えていきます。いじめられっこのメガネ少年が、このままじゃいけないと勇気を出して一歩踏み出したり、ヒロインの少女に重大な質問をされたり。もちろん答えはイエスに決まってるさー!いやあ、燃えた
■普通の町の他に、マジカントという不思議な国があります。全体がピンク色で、住んでる人もみんな風変わり。セリフがいかしています。「幸せは歩いちゃ来ないけど、だったら不幸せも歩いちゃ来ないよな。」哲学的…!糸井さんワールド全開。用もないのに来たくなる国です。 ■最終地点のホーリーローリーマウンテンに近づくにつれ、少しずつ怖い感じが増していきます。洞窟の中に、今までさらわれた大人たちがカプセルに閉じ込められていたのを見たときは、かなりぞっとしました。味方だったロボットのイブが壊れ、マジカントが無くなり、メロディが全部そろって、最後にギーグと対面。 ■ラスボスとの戦闘で攻撃をしないというゲームはMOTHERが初めてだったかもしれません。攻撃せず、ひたすら今まで集めたメロディを歌い続けてラスボスを倒すのです。最後のスタッフロールは三人がこちらを向いているだけなのに、何故か感動しました。最初から最後まで誰も傷つかない、優しくて少し淋しいゲームでした。
■小説版「MOTHER」(久美沙織著)もすごく好きです。小学生が頑張ってもがいて青春していて、結構うるうるします。

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