それぞれの救い  ドラッグ オン ドラグーン  ◆2003年 ◆アクションRPG ◆制作=スクウェアエニックス
◆ストーリー=主人公カイムは両親を帝国のブラックドラゴンに殺され、女神のしるしが体に浮かんだ妹フリアエとも引き離され、傭兵となり帝国への憎悪と復讐に生きていた。ある日、帝国軍が城に攻め込んできた際に傷を負ったカイムは、同じく傷を負って捕われたレッドドラゴンと出会い、「声」を代償に契約を結ぶ。 ■CMを見て、やっぱりCG綺麗だなと興味を持ったのですが、ロングバージョンの相当病んだ雰囲気に圧倒されました。非常に私好みなオーラを感じました。絶対一般受けはしないだろうけど(泣)。とりあえずメインキャラは一人残らず病んでます。さりげなく声優に池畑慎之介唐沢寿明が起用されていたりします。
■イベントシーンと戦闘(アクション)から成っていて、戦闘は地上戦と空中戦があります。ドラゴンに乗って敵をロックオンするのが『パンツァードラグーン』を思い出させて楽しい!地上戦では敵が何百単位で襲ってくるのを、武器を振り回してふっ飛ばします。なかなかの爽快感!こちらは『三国無双』に似ているらしい。 ■登場人物の殆どがコンプレックスに悩まされたり狂気に侵されたりしています。主人公のカイムは契約の代償で声を失っているものの凶暴さは変わらず、無口な暴れん坊将軍として我が道を爆走。文句があると剣を突きつけ、村人も仲間もみんなとりあえず足蹴にする。設定で、両親が惨殺される以前は、わりと優しい性格だったと書いてあるけど、想像もつかない…。
■戦闘で一定条件(何分以内に特定の敵を倒すなど)を満たすと『隠し武器』が出現。これを集めるのが戦闘のメインと言っても過言ではありません。剣、長剣、槍、杖、斧、ポールアクス、メイス、ハンマーなど全65種類。振る時は各武器に独自のアクションがあり、レベルが上がるとアクションの連鎖も増えます。この武器システムに見事にハマりました!『デバイスレイン』のオーパス集めの時と同じく、収集癖をバリバリ刺激されました。武器大好きー!敵の殺害数で武器Lvが上がる為、ストーリーそっちのけで敵が1000人以上のミッションばかりやってました。 ■好きな武器は貴正(長剣)。名前どおり日本刀。振りが軽くて、自分を中心に円を描くように薙ぎ払うので、多数の敵に囲まれた時に便利です。鉄塊(長剣)はかなりの重量の為に隙ができて扱い辛いけど、あの長くて分厚い刀身で敵を一気に薙ぎ払うのは爽快の一言に尽きる!霞切り(ポールアクス)はリーチが長くて、重い敵も押し退けられる威力があるので、時間制限のある戦闘で重宝しました。他にもデザインや名前で気に入った武器がたくさんあります。とても書き切れない!
■カイムと契約するレッドドラゴンは、悟りきった尊大な態度で人間を見下しています。戦闘中に色々話しかけてくるのですが、渋くて良い声なんですよ!最初は偉そうだったけど、復讐に突っ走るカイムを見ているうちに、何か思うところがあったらしく少しずつカイムに肩入れするようになっていきます。あまり詳しくは描写されていないけど、カイムも人間とはまったく考えの違うドラゴンに少なからず影響を受けたのでは。異種族だからこそ、お互いどこか慰められたのでしょう。ところでこの二人(ピーター=池畑慎之介が声を二役演じています。スタッフロール見るまで気付かなかった!だって全然違う!見事な演じ分けです。 ■主人公の妹フリアエの声が、高すぎず清楚な感じで良かった。カイムとは正反対に、全てを諦めて流されるまま何もしない人だったけど、(最後の自害はえらく思い切りがよかったなあ。女神のまま一生を過ごすより、死の方が彼女にとっては救いだったのかも。)イウヴァルトは彼なりに一生懸命だったんだろうけど、悉くうまくいかない人でした。レオナールはコンプレックスはともかく常識人。フェアリーに罵詈雑言浴びせられても何一つ言い返さず、カイムに足蹴にされても怒らない。すごい人だ。 ■EDは5種類あり、一番最初に見れるAエンディングを見て、もうすごいびっくりしましたよ!いつの間に(そんなラブラブに!?途中の対ブラックドラゴンのムービーの時とか、お互い何となく情が移っているのは感じられたけど、それでも驚いた!思った以上にラブラブというか何というか…。契約がいつの間にか絆に変わったんだろうか。同じ種族だったらきっとこうはならなかったでしょう。5つのEDの中で一番救いがあるけど寂しいEDです。
を多く残したまま物語は終わります。『神』(ブラックドラゴン?)が帝国軍を洗脳して人間を滅ぼそうとしていたのか。神とか関係なく、ただ単に人間を滅ぼすシステムが働いたのか。普通のRPGと比べてあまり詳しい説明がなく、消化不良な印象を受けるストーリーかもしれないけど、私はかえって好きになれました。(カイム達はとにかく訳も解らず困難な状況に晒され、それでも夢中でもがいて生きた。それぞれ救いが無くても自分の道を歩いた人が多かったと思います)。


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