サイレントヒル4 THE ROOM  ◆2004年 ◆アクションホラー ◆制作=コナミ
◆ストーリー=主人公ヘンリーはある日悪夢にうなされ、自室から出られなくなってしまう。窓は開かず、ドアには内側からチェーン。そしてバスルームの壁に大きな穴を見つける。数日間閉じ込められているヘンリーは、最早その穴に入るしかなかった。 ■シリーズファンには「え!?」と思うことが盛り沢山。2の新聞記事に出てきた(ウォルター・サリバン)が4でメインにくるとは!あと、(管理人サンダーランド!ジェイムスか!と思ったらお父さんでした。お父さん、あなたの息子とその奥さんは…ううっ(泣))。
■最初私はヘンリーを思い切り疑っていました。だってドアの内側にチェーンって、自分以外の誰がやるというのか…。(二重人格で、もう一つの人格がウォルターとか。)以前サイレントヒルを訪れた事があったり、サイレントヒルの写真を飾ってあったりと、怪しさ爆発でした。(疑ってごめんよヘンリー。実際には純然たる巻き込まれ型でした。 ■シリーズ四作目は今までに無い新しい試みを取り入れたシステムになっています。自室の穴から別の場所へ行き、イベントをこなして自室へ戻るというステージクリア方式。途中でも穴から自室へ戻れる上に体力も自動回復するので、ちょっとした『日帰りサイレントヒル』で楽でした。前半は。
■後半になると自動回復は無くなり、自室の『侵食』(怪奇現象)が始まります。侵食の度合いはEDに関わってくるので、こまめに浄化。攻略チャートに「侵食を少なくするには、自室へ戻る回数をなるべく少なくする」と書いてあり、つまりセーブが出来ない。……嫌アアア!!敵を一体倒す度にセーブしたいほどのセーブ魔なのに!私にとってこれ以上の苦行はありませんでした(泣)。自室での『自分視点』も何だか怖かった。ほんとに自分以外誰もいないのを思い知らされます。 ■序盤は自室に戻るとほっとしたんだけど、だんだん油断できなくなりました。バスルームが血だらけになったりテレビが点いていたり(泣)。一番怖かった怪奇現象は『玄関の靴』。テレビや窓枠は音がしたのですぐ判ったけど、靴は最初気付きませんでした。ふと玄関を見ると靴が無い。ヘンリー何もしてないよ。……誰が動かしたんだー!!寝室の怪奇現象は、最初どこなのか判らずかなり焦りました。(よく見るとクローゼットの中に子供の影…!最初からこのクローゼットは何かありそうで怖かったよ。
■今回の武器は、基本の鉄パイプの他に、金属バット、ゴルフクラブ、片手斧、ツルハシなど。ゴルフクラブは何故か種類が沢山あったけど、折れそうなのでまったく使いませんでした。装備はしたのですが、放置中に一回ヘンリーが素振りをしたような…。気のせい?ヘンリー、ゴルフ好き?一番使ったのは斧でした。ラスボスでは、リボルバー連射。 ■攻撃ボタンを長押しすると力を溜めて攻撃できます。鉄パイプでの溜め攻撃は、モーションキャプチャーによってリアルな動きが可能となったんですと言わんばかりの素晴らしい動きでした。そう、素人が頑張ろうとすればこんな風にバランス崩れるに違いない!前シリーズが動きに無駄が無さすぎただけで、別にヘンリーが運動不足とかヘタレというわけではないはず(笑)。
■ストーリー後半でヒロインのアイリーンが合流。終盤まで行動を共にします。2では一時マリアが同行したこともありました。今回はなんとアイリーンに武器を持たせると一緒に敵を攻撃してくれます。しかし敵から攻撃を受ければ当然体力値が減るので、ちょっと下がっていて欲しい時も多々あり。なにより2の悲劇(銃使ったらマリアに当たっちゃった)が怖い。ゴーストなど倒せない敵がいて、早く通り抜けたい時も、オートで敵に立ち向かっていくアイリーンは、ゲームの難易度をちょっぴり上げていました…。 ■今回の美術も相当なものでした。地下鉄のホームに変なオブジェ(肉塊?)が沢山。病院のランダム部屋が何だか頭から離れません。螺旋階段の途中、所々にある小部屋が、よく見ると怖い。アイリーンの部屋のロビーが…!そして自室の玄関の、めちゃくちゃにかけられたチェーンが、ふとした拍子に目に入ると何だかぞっとします。自分の部屋なのに訳のわからないものがあるって、何て嫌なんだろう(泣)。 ■ヘンリーの心情描写は少ないけど、結構優しい性格のような気がします。(シンシアが死ぬシーンで、これは夢だと言ってあげるのが、何だか優しいと思いました。)多分意図的に個性の無いキャラにしてあるのでしょう。公式サイトを見ると、ヘンリー=プレイヤーと設定されているようです。だから今までの主人公達のような過去や背景は無く、家族も無い。ここがかなり思い切った試みでしたね。
■このゲームでの良かった点は『適度な難易度』。今回はアイテム所持数に制限があり、持ちきれなくなったら部屋に置きに行かないといけない。しかし後半はなるべく部屋に戻らないようにしないといけない。攻略チャートを見て、必要なものは事前に持ち(帰服の剣など)、アイテムが多く拾えそうな時は出来る限り荷物を減らす。頑張って頭使いました。そしてやはりアイリーンを長く連れ回すのが非常に危険。うっかり敵に囲まれて、彼女のためにリセットした事も。アクション苦手で不器用な私なので、ステージクリアするごとに達成感が得られ、無事にNORMALでグッドEDを見られたときは自分を褒めました(笑)。適度に難しかったからこそ満足感もあったのではと思います。 ■ストーリーは、ほんのちょっと例の教団が絡むけど、基本的には(母親を求める子供が起こした悲劇。部屋そのものを母親と思い込む、という発想がなんとも独特。子供の姿はやっぱり同情を誘うんだけど、大人の時は銃撃してきて大変!表情や返り血が不気味です。主人公は事件に巻き込まれるけど、真相には絡んでいないため、ちょっとドラマ性に欠けてたのが残念)。これはパズル解きやプレイに重点を置いたということかもしれませんね。にしても今回は自室にいきなりサイレントヒルが出張してきて、逃げ場が無さ過ぎ。ヘンリーは不運過ぎ。 ■今作はSHファンの間ではあまり評価が高くないという噂ですが(笑)、やはりシリーズが長くなればこういうこともあるでしょう。いつも同じ傾向だと「マンネリだ」と言われ、思い切ってガラリと変えると「今までと違う」と言われ、きっとスタッフさんは壁に頭を打ちつける勢いで悩んでいらっしゃるかと。私はステージクリアに燃えていたので、プレイ中はとても楽しかったです。幸いSHは根強い人気があるので、これから元に戻ったり新たな試みに挑戦したりを繰り返しながら、末永く続いて欲しいと思っています。5作目、楽しみに待ってます!


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