儀式が続く理由

零〜紅い蝶〜 

◆2004年 ◆ホラーアドベンチャー
◆制作=テクモ
◆ストーリー=双子の姉妹、繭と澪は山奥の廃村に迷い込む。そこは昔、祭の夜に災厄に襲われ、地図から消えた村だった。『紅贄祭』の儀式に必要な双子を探す村人の怨霊に追われながら、二人は夜の明けない村から逃げ出そうとする。
■前作の『零』が難しくてクリアできず、こっちの『〜紅い蝶〜』を先にクリアしました。EASYモードのお陰です。舞台が屋敷の中だけでなく、村の中や他の屋敷を移動できるのが良かった。怨霊の登場の怖さは相変わらず。久しぶりの零プレイで(美也子さん登場)は怖かった…!心臓に悪かった。『飛び降りた女』も不意打ちでずるい! ■お姉ちゃんの繭と手を繋げるのかと思ったら、そういうシステムは無かった…。『ICO』みたいにRIボタンで手を繋げたら良かったなあ。でもお姉ちゃんがフラフラ失踪しないと話が進まないか。そして怨霊との戦闘では、霊がお姉ちゃんに構っている隙に激写したりして、意外と良い囮に…ごめん。
■やはり射影機で激写は難しいけど楽しい。いつ出てくるかわからない浮遊霊を、一瞬でファインダーに収めてシャッターを切る!成功するとやたらと嬉しいです。怨霊との戦闘も、待っていれば必ず大ダメージを与えられるシャッターチャンスがあります。霊が近づいてくるのを必死に我慢してギリギリまで引き付けるのは、他のゲームには無い緊張感がありますね。最初の頃は怖くてすぐにシャッター押してました。あんなの、自分視点のドアップで見たくないよ(泣)。 ■今回の主人公の澪は、前作主人公の深紅よりも少し気が強そうなイメージがあります。髪型や服装のせいかな。ゲームを進めるにつれ、自分が戦闘に慣れるせいか、澪も逞しくなっていくような気がする(笑)。お姉ちゃんの繭はかなり電波を受けやすいです。最後の双子巫女、紗重とシンクロしているせいもあるけど、それだけではなく、繭自身にも(紗重と同じ気持ちがあったからこそ、シンクロし易かったのでしょう。ストーリーが進むと、たまに浮遊霊として撮影できてしまうのがちょっと怖い(泣)。
■唯一主人公側に味方してくれる存在の樹月。一番苦労の多かった人なのでは。(弟と一つになれず、蔵に囚われながらも紗重と八重を案じ、宗方に託した後で自殺。妹が実は怨霊化してた。)ああ不幸。宗方も樹月や紗重達を助けようと尽力してくれた良い人でした。『零〜zero〜』での今後のことを思うとなかなか複雑な気持ちです。(民俗学者の怨霊、超強かったよ…!)。
■てこずった怨霊は、『双子少女の人形』。どちらにダメージが与えられるか見極めなければいけないのが難しかった。あと、千歳。怨霊にしてはグラフィックがかわいく、紅い着物が印象深いです。登場の仕方が怖かった…。(紅い表紙の日記に、千歳が鈴をもらったことが書いてあり、そういえばさっきから鈴の音が聞えるんだけど、と思ったら…!
■毎回生贄が逃げ出してもおかしくない異常な『儀式』が、それでも続いてしまう原因は『双子だから』ではないでしょうか。(「兄・姉に殺されるなら。」と弟・妹が受け入れてしまう。あるいは「一つになりたい」と望み、兄・姉もそれを叶えてしまう。双子の想像を絶する結びつきが儀式を可能にしているのかもしれません。加えて弟・妹は生まれつき病弱な人が多かったようだし、ますます諦観の傾向が強くなったんでしょうね。
■EDは2種類あるらしく、EASYでプレイしたので片方しか見れていないのですが、「バッドED!?」と最初は焦りました。→
■→HARDで見れるEDだと(澪が繭を殺さずに済むグッドEDになるんだろうか、と思ったけど、よく考えてみました。澪に置いていかれることを恐れ、「ずっと一緒だよ」と言い続けた繭にとっては、澪に殺され紅い蝶になってずっと一緒に澪といられる、これ以上ないグッドEDなのでしょう。ただ、「ごめんなさい!」と泣きながら紅い蝶を追いかける澪を見ると、すこし悲しい。二人で助かるEDも見たいと思ってしまいます。
■ただ怖いだけではない、神秘的で凄惨な雰囲気が人を惹き付けるゲームだと思います。。怖いながらもすごく好きになれました!コスチュームチェンジもしたいなあ。


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