かごめ編 『座敷わらし』

■ストーリー=十数年ぶりに里帰りした賀茂泉かごめは実家の跡地で幼少期を回想する。いつも一人きりだと思っていた自分が一時期だけ誰かと一緒だった事を思い出す。
■新キャラ賀茂泉かごめの番外編。本編ではアメリカ帰りのバリバリのキャリアで科学信奉者で、軟弱者は初対面でも引っ叩くような鉄の女の幼少期が、まさかこんな…。いやはやびっくり。日本家屋。代々続く神社の跡取り。普段着が和服。えええええ、想像できないよ。後姿描くのがやっとだよ。地毛は黒髪ストレートってことか。
■『流行り神』はたまにホロッとくる話があるんだけど、今回はこのかごめ編がそうだった。現在の賀茂泉からは想像も出来ない、家柄に縛られた淋しい幼少期。幼いなりに一生懸命考えて必死に行動するかごめが、かわいかったし切なかった。現在の彼女のきつい性格はむしろ好きなんだけど、それが幼少期の孤独と『事件』のつらさによって形成されたと思うと、ほんと切ない。もはや『地』になっているんだろうけど、ちょっとは無理してるのかなあと思う。
■基本おどろおどろしいのが『流行り神』なのに、この番外編は!真夏の空とか、野原とか、星空とか出てきちゃって、なんか爽やか〜。ノスタルジー。だいぶ雰囲気違います。でも意外にもちゃんと推理ロジックが出てくる。そして前作の番外編から引き続き、これは定番になりつつあるのか、「なーにが小倉だ、(道明寺)!」。 ■幼少期に登場するなんて、やっぱりあれなのか。本当なんだろうか。しかし(飄々としてるくせに行動は優しいんだよな、こいつめ。そうか、現在ではまだ会ってないんだった。もし遭遇したらすごい面白そうなんだけど。抱っこしたり頭撫でてくれた人が、大人になってよく見てみたら怪しいことこの上ない人だったとか(笑))。 ■終わり方も爽やかだったなあ。科学派なかごめだけど、この思い出だけは否定できない。笑って最後の台詞を言えたってことは、これで少しは心が解れたんじゃないだろうか。まあ風海達への態度はそうそう変わらないだろうけど、声に出して「(姉さん)」と言えたことはきっと大きな意味がある。あーいい話だった。


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