というわけで、オカルトに行くと賀茂泉警部補がキーキー言うけど、
データベース収集のため今日も風海はがんばってオカルトへ…。
科学、オカルト、さあどっち?

流行

◆2008年 ◆ジャンル=サウンドノベル ◆制作=日本一ソフトウェア
◆ストーリー=警視庁地下5階に存在する『警察史編纂室』。そこは科学では説明しきれない不可解な事件が回されてくる部署だった。刑事一課から編纂室に異動させられた主人公風海純也は、科学とオカルトの間で迷いながらも柔軟な姿勢で怪異事件に臨む。 ■前作大好きだったので続編も当然やりたかったのですが、忙しくてなかなかプレイできず。しかしPSPを手に入れたのをきっかけに『流行り神2PORTABLE』を購入。携帯ゲーム機なら隙間時間にちょっとずつでも進められるので非常に便利。久々のゲームプレイをめちゃくちゃエンジョイしました!
■このゲームの特徴である『推理ロジック』(事件における人物相関図を、入手したキーワードを使って自分で完成させる)『カリッジポイント』(限られているポイントを消費しなければいけない選択肢)などのシステムは健在。これらのおかげでゲームの難易度が適度に上がって、結構頭を使いながらプレイするはめに。 ■キーワードを入手していないと『推理ロジック』が完成しないので、途中の選択肢もかなり重要。『カリッジポイント』は7つしかないので、やたらと消費するのをためらってしまう。でもここぞと言う時に使わないとキーワード入手できない。重要な局面かどうか自分で判断する必要があるわけです。難しい、けどそれが面白い!!
■ストーリー本編は各話に『科学ルート』『オカルトルート』の二つがあり、選択肢や終わり方によってD〜A、Sのランクがあります。Dはゲームオーバー。私は0、1話はまず最初にDランク体験しました…。科学、オカルト両方。いやー…ゲームオーバー体験してからのほうが燃えるってもんよ! ■前作プレイ済みなので、メインの登場人物にはやっぱり愛着があります。風海はプレイヤーの選択次第で迷走したり推理外したりしてしまうけど、基本お人よしで真面目。よくがんばってるよ!他の人視点の風海は多少かっこいいんだよ!そして小暮さんや犬童警部も相変わらずで嬉しい限り。
■そして新キャラクターの賀茂泉警部補。思いきり科学サイドの人間で、初対面でも高飛車で命令口調。でも私すっごく彼女気に入った!!科捜研だけあって言うことは合理的で筋が通っていて気持ちがいいし、毒舌も真面目な性格ゆえに出てしまうもの。風海がオカルト寄りになろうもんなら目を吊り上げてビシバシ叱責するけど(笑)、警察としての正義感と使命感が強いのは風海達と同じ。心強い味方が増えた。それになんだかんだ言ってもかわいいよ、うん。 ■各話感想。第0話。風海の初恋の人が関係する事件。風海は学生時代意外と…。ここらへんは人物紹介で詳しく。科学ルートの方が謎解きに説得力があるんだけど、オカルトルートはやっぱり不気味さで勝負!風海や小暮にまで呪いがじわじわ迫り、科学の方では無事だった大家さんがオカルトでは亡くなってしまうのが怖かった〜。今回犬童警部の番外編はなかったんだけど、あっ今裏で何かやったでしょーって場面があり、一人ニヤニヤしてしまった(笑)。小暮さん、それ夢じゃないから。警部ホントにかっこいいんだよ!
■第1話。 予知夢は本物か、それとも深層意識の表れか。科学で説明出来そうなのに、出来ない部分が徐々に増えてくる。(シリアルキラー)が関わってくるのも流行り神としては珍しい。実は私はこの第一話が一番面白かった。事件の中心となる彼女『舞』がすごく不安定で、まず被害者かそれとも虚言なのか信じられず、予知夢も本物か思い込みか、更に(人格)さえも曖昧になっていく。推理がすごく難しかった。科学とオカルトでは事件の真相がちょっと違うのも面白い。 科学では舞を殺したけど、オカルトでは若菜だと思って殺している?こっちのほうが…狂気入ってるなあ…。犯人との対峙シーンも、オカルトの方が舞と若菜が目まぐるしく入れ替わっていて怖かった。えーと、結局科学が入れ替わりで、オカルトが乗り移りということになるんだろうか。でもどちらも最後わざと曖昧にしてる気がする。片方が生存して証言してるから、疑ってDNA鑑定なんてのもできないだろうしなあ。でもその曖昧さが『悪夢』のような雰囲気を生み出していて好き。 ■第2話。 演劇という特殊な世界がなかなかリアルに描かれていた。演劇が好きという次元を超えて「演劇しかない」人達の集まり。実力主義かと思いきや意外と劇場に神棚があったり、ゲンを担いだり、それゆえ霊や呪いなどを一般よりも恐れてしまう傾向。この話の終わり方は(科学のほうが悲劇的で好き。潔く思いを貫いたって感じがする。オカルトの生き残って逮捕されるのも、つらいけどまだ希望が微かに残っていいなあ。どちらにせよ強烈な才能が全てを招いた事件だった。 ■最終話。 まさかのバカンス編(笑)。休暇で訪れたリゾート地で事件発生!すっごく推理小説っぽい〜♪いや、もちろんこのゲーム元々推理ものですけどね、今まであんまりこういうシチュエーションなかったなあと思って。メイン3人のリゾートファッションが見れます。みんなかわいいよ!『それなりに爽やか』って感じ(爆)。 もちろんただの休暇ではなく、きっかけは霧崎とゆうかのゼミの研究合宿。訪れた島には怪しい土着信仰や立ち入り禁止区域もあるのでご安心を(笑)。
■風海達が巻き込まれたのは、間をおかずに現在進行形でどんどん発生する連続猟奇事件。しかも風海達がいるのと同じ建物内で!犯人の大胆不敵な犯行と、それに追いつこうとする風海達。中盤は緊張感があってドキドキした。そして『1』で触れられた過去が明かされる。(人見の過去をここでちゃんと明かしてくれたのは嬉しかった。これで人見も少しは楽になれるだろうか。 ■この話はオカルトよりも科学の方が謎解きが整然としていて分かりやすいかなー。犯人に関してはすっかり騙された!そりゃ私は騙されやすいけど、でも悔し〜!(片方の人は、まあ順当に怪しくなるんだけど、それでも駐在さんとのフレンドリーなやり取りとか見ると、悪い人にはとても見えない…。普段の働きぶりだってもちろんそう。実際一般的な悪意のようなものは無かったかもしれない。 ■(そしてもう片方は、一度疑いが晴らされたんでコロッと信じてしまったよ!終盤のトラウマ克服だって、感動的なシーンでしょ!あそこで終わりにならないなんて、やられたわ。)死を遠ざけたい、何としても避けたい、なかったことにしたい。それは誰でも思ってしまうだろう。近しい人が対象なら尚更。風海達が道を踏み外していないのは、今のところまだ当事者になっていないからに過ぎない。 ■ED。前向きな風海達とは正反対に、こちらは何とも…大胆なくらい凄惨な終わり方。『彼』は元々怪しいことこの上ない存在だったけど、(まさか人外までいってたとは。ホントに?また煙に巻くためのホラじゃなくて?でも番外編を見るとホントっぽい。しかもちょっと怖い…。あんなに軽薄なのに『殺るときゃ殺る』人だったんだなあ。)そして最後に爆弾落っことしてスタッフロールへ。
■これは…慌ててデータベース100%集めて隠しシナリオ見るしかないでしょ。そして『3』やるしかないでしょうよ!!大慌てで『1』を思い出してみると(布石はあったような。霧崎の父と親友という時点で疑うべきだったのか?てっきり一般人だと…。いや、それは甘い考えだったか。 ■好きなシーンや会話。とりあえず風海、小暮、賀茂泉の3人のやり取りは何だか微笑ましくて大好き。同僚なのにやたら勝ち負けを意識して上から目線の賀茂泉に、(この人は一体何と戦っているんだ…)と心の中で突っ込む風海。口には出さないけど実は結構ツッコミしてる(笑)。 ■最終話で駐在の大野原巡査が谷さんに「ブタ箱行きだぞ」と脅しても、ブタ箱=巡査の自宅なので「得意の焼きそばご馳走してくれるんですか?」などと全然効果なし。普段から精一杯偉そうにしながらこまごま世話する様子が目に浮かぶよ…。狭い島っていいね。 ■それぞれ科学とオカルトの代表として火花を散らす賀茂泉とゆうかだけど、ゆうかが体調崩したり無茶したりすると賀茂泉が「大人しくしてなさい」「風邪ひいたらどうするのよ」と口うるさくも気遣うところが好き。ついでにデコピン炸裂するけど(笑)。
■総括感想。不可思議な事件と思われても、五里霧中な状態から徐々に手がかりが見つかり、バラバラだったものの繋がりが見えてくる。どの話も推理もののドキドキ感が充分味わえて満足。加えて同じ話が科学とオカルトという違う方向に展開していくので、他の推理ものとは違う面白さが体験できる。これが『流行り神』の最大の長所だと思います。 ■でも今回ちょっと難点が。推理ロジックでのキーワードの正誤判定の基準がちょっと曖昧な気がする。「これで合ってるの?微妙に違うような…」と思うのが正解だったことがあります。そのせいかSランクを取るのが少々難しいです。そこらへんはまあ攻略サイトを参照に(笑)。 ■あと若干気になる部分が。(第一話、現在で起きた事件の『花』の状態が違うのが説明なかったような。第二話、座った椅子に血が付いていたのは?オカルトっぽい演出?何か見逃したかなあ。
■何はともあれキャラが魅力的で会話や文章が面白い。これはサウンドノベルにおいては重要です。「やっぱり好き!」としみじみ思いました。
■そして今回も次回へ繋がる『謎』を残してくれましたよ〜。2プレイ中すでに『3』の公式HPを見て登場人物もざっと読んでいたんだけど、その時はまだ気づかなかった。2のとある番外編を終えてから「あれ…この名前見覚えが…」。どういうこと!?いや…同一人物ではないはず?(だって性別違う)。気になるーーー!!『3』のプレイは決定です!



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