ドラマ『JIN−仁−』完結編の感想。





絵も文章もネタバレなので未視聴の方はお気をつけください。
放送の新しい順に載せています。















『JIN−仁−』最終話感想。

修正力というより頭の中の胎児様腫瘍のせいで症状が重くなる仁。
一方龍馬が終わらせた徳川幕府と共に滅びることを迫られる恭太郎。
兄を探しに行こうとする咲を、栄が必死に止めるところでうるうるした。
いつも家や体面を重んじて、案じてはいるんだけど咲に「戦の途中で戻ってくるな」とか、
厳しい態度を取り続けた栄が、とうとう母親の思いだけで「行かないでおくれ」と言う。
やっぱりそうだよね。江戸時代だろうと家柄が大事だろうと、母はいつの時代も同じなんだろう。

仁によって命を助けられた恭太郎が、もしかしたら今になって修正力の影響を受けるのかとハラハラしていたら、
なんと咲が銃弾を受ける。えええ、咲なの!?てっきり恭太郎が戦場で倒れるものとばかり…。
命に関わる傷ではないと仁が言い切ったから安心していたら、ペニシリンの効かない感染症に。
歴史や修正力には関係ない咲が、まさかこんな命の危機に陥るとは。

仁の症状も頭痛に手の震えや嘔吐も加わり、治療もまともにできない。
この時代に腫瘍の手術ができる技術はないんだけど、佐分利はそれを自分の無力のように感じてしまう。
過去の自分を思い出して、「大丈夫」と佐分利に言い聞かせる仁。
きっとこの言葉はこの先佐分利を支えていくんじゃないだろうか。

あっ、あと坊主二人(多紀&松本)がかっこいいのなんの!だから私の感想は坊主率が高いんだ(笑)。

寝込む咲を看病する仁も顔色が悪く、病人が二人もいてなんか見てる方が落ち込んでしまう。
仁が未来へ戻れば腫瘍が治せる、そう思いながらも目覚めて仁を見て儚く笑う。
それを見てると、うん、まあ抱きしめたくなっちゃうよね。当然だよね。分かるよ。
かけがえのないものと一緒に自分も消える、なんて医者としては駄目なんだけど、
「医者がそんなことでどうしましょう」と言う咲は幸せそうだった。仁もそうだった。

そういえば勝先生が!やっぱりもう全部お見通しなんじゃないの、この人。
仁の目を見て「これが禁じ手だってことは分かってる」という台詞にめちゃくちゃ緊張した。
いつから気づいていたのか…。龍馬が死んでも、終わってないものがたくさんある。

タイムスリップするならまた神田川かと思い込んでいたけど、「入り口と出口は違う」か…。
そして二年前に観た第一話冒頭が違う目線で進んでいく。なんかどきどきした。
仁は薬を持って江戸へ戻るつもりだったみたいだけど、やっぱりというか何というか
医者の仁が消え、患者の仁は現代に。戻りたかっただろうなあ。江戸には大事なものがありすぎる。

仁が包帯男として戻ってきた後がどうなるのか、まったく見当がつかず心配だったけど、
なんか修正力が無理やり直していた!修正力って、歴史のじゃなくてパラレルワールドのだったの!?
仁も視聴者も混乱していたのを救ってくれたのが研修医の野口。ありがとおおおお!
最大の謎だったホルマリン君=龍馬に多少なりとも科学的な説明がつくとは思ってなかった。

橘医院の前に来た女性が、咲かと思ってどきどきしてたら、まさかの未来!えええええ!?
詳しい話や写真も見れて良かった〜。そういえば佐分利達の写真ももう少しよく見てみたかったな。
咲の話に一喜一憂する仁はどう見ても不審なのに、それを暖かく見守ってくれる未来はよくできた人だ(笑)。

咲からの手紙はもう涙無しには読めないというか聞けないというか。
日本語の美しさと綾瀬はるかの声の上品さに聞き惚れるしかない。
なんでお互いがいるうちに言わないのかねえ、もう。手紙で伝えられて、150年隔てて返事するなんて。
それでも悲恋という暗さがないのは、なんでだろう。二人にはこういうのが合っている気がする。
見返りなんて期待しないでひたすら一方通行、でも幸せ。見てる方はもどかしいけど。

仁が消えた江戸では、仁に関する出来事も記憶も強引に修正されている。
本当ならすごく淋しいことなんだけど、龍馬の台詞「みんな一緒におる」のおかげでそれがだいぶ慰められた。
あとなんか撃たれたし(笑)。二人で何やってんだよ。淋しいのが吹っ飛んで和んじゃうじゃないか。

あの朝日のシーンで終わっても良かったはずなのに、手術直前シーンがラストに来たということは…。
タイムスリップが何の為だったかは結局明言はされなかったけど、
あの手術がタイムスリップのお陰で「乗り越えられる試練」になったんじゃないだろうか。

このドラマを観ることができて良かったです。すべてのキャストとスタッフに感謝!


以下は描き足し感想














『JIN−仁−』第10話感想




『JIN−仁−』第10話感想。

龍馬を斬った理由を「兄の仇」と言う東。でも「もういいですよね」って言ってたじゃないか。
あの笑顔を見せた後で今更斬る理由がさっぱり分からん!しかし龍馬には分かっている様子。
東の刀から龍馬を守ろうと覆いかぶさる仁。本当に守りたいんだな。史実の偉人じゃなくて、自分の親友を。

額を斬られた龍馬を救う為に、脳外科専門の仁がこの時代へ送られたのか。
そんなこととは関係なく、ただ龍馬を救う為の手術が始まる。
前作の手術より更に広範囲の頭蓋切開に驚いた。穴どころか四角く切り取ってる!
レントゲン無しの穿刺に緊張が走るが、仁の技術力で何とか成功。ほんと仁の医療技術は半端ない。
髄液が飛び出して仁に直撃したけど、問題ないらしい。と、この時は思ってた。

骨片を体内で保存する方法に、佐分利同様驚いた。なんか…人体ってすごい。
ここでなぜか手術中には出なかった頭痛が発動。修正力が何を考えているのか分からない…。
佐分利が頼もしかった〜!たぶん仁を除けばこの時代で一番くらいの外科医になっちゃってるんじゃないか。

付きっきりで龍馬の呼吸を保持しながら、龍馬の食いつきそうな未来の話をし続ける仁。
この時の表情や話し方がほんとに素の感じで、それがかえって切なかった。なんとなく。

龍馬の意識が戻ってから、二人で会話できる時間があってほんとに良かった。
この続編が始まる前は「龍馬死ぬなら続編いらん!」と思ってたのに、
子供を寝かしつけるように龍馬の胸に手を置いて、穏やかに話す仁を見ていたら、
なんだか気が済んでしまったような、これで龍馬が助からなくてももう不満はないような、
そんなふうに思えてしまった。それくらい穏やかな気持ちになれる時間だった。
あとはやっぱり心停止したのにどこからか龍馬の声がするのにびっくりして、
死のショックがだいぶ和らいだというか、謎が増えて呆然としている間に色々過ぎてった(笑)。

あ、そういえば三隅事件解決。多紀と松本の頼りになること!「胃洗浄の準備もしておる」にスカッとしたわ。
でも山田に白髪が!なのに笑顔で「ペニシリンを守りました」と仁に伝えるのが健気で涙。
仁の悪い癖で、みんなに迷惑をかけるとすぐ身を引こうとするけど、もう仁友堂もそれくらいでは揺るがなくなった。
山田の「緒方先生に顔向けができませぬ!」の台詞、これが今回一番の泣きポイントだった。緒方先生〜!
もう仁友堂はみんな一緒に同じ道を進むしかないんだ。迷惑だ何だとバラバラになってる暇は無い。

東はまさか自害するとは思ってなかった。理由がなんであれ逃げるしかないかと。
でも龍馬の存在は東にとってそんなもんじゃなかった。あの時の一閃ですべて終わっていた。
斬りつけるという仁とは真逆のことをしたのに、仁と同じくらい強い気持ちで龍馬を守り抜いたのか。
龍馬の穏やかな死に比べると、あまりに淋しい死だった。








『JIN−仁−』第9話感想。

いよいよ龍馬暗殺の日が迫る!前作から今か今かと気になってましたからね〜。
このドラマ一番のクライマックスになる上に、タイムスリップの謎にも関わってくるんじゃないだろうか。
大慌てで旅支度をする仁に、同行を頼まれた佐分利は大喜び!
いや、これはかなり頼りになるかも。修正力も佐分利の邪魔は出来ないだろう。
手術中に仁が倒れても、佐分利ならある程度の外科処置が望めそう。

しかし、京に着いてから龍馬を探すのに何日も費やすことに。
そうかー、京は知ってても近江屋は知らないのか!去年の大河観れたら良かったのにね〜。
暗殺前日になってやっと龍馬発見!早く龍馬を京から出したい仁はもう焦る焦る。
弱っちいくせに龍馬を必死に背後に庇ったり。ほんとは医者は体を張っちゃいけないんだけど。

そういえば今回まで東は全然笑わないなあと思っていた。せっかく佐藤隆太なのに、と(笑)。
何で(演出的に)スマイル封印してたか今回で分かった。この時の為だったのか。
もう一度生まれてきたいと思える国を作る為に奔走し、見事成し遂げた龍馬に、東が初めて笑顔を見せる。
この笑顔を見たとき、龍馬のしたことはすごかったんだなと改めて思った。
東のあの殺伐とした表情を、こんな笑顔に変えられるなんて。

そうそう、仁は近江屋を知らなかった上に、中岡も知らなかった!
もし中岡を「龍馬と一緒に暗殺される人」と知っていたら、帰さないで一緒にいただろうし。

一応暗殺当日をやり過ごし、ほっと肩を下ろす仁。
なのにまた激しい頭痛に襲われ、それが原因で龍馬が宿の外へ。
そこでは東と恭太郎が斬り合うという最悪の事態に。ちょっと、二人とも味方のようなもんなのに!
前作では嫌いと言いつつ多大な影響を受けていた龍馬に、涙目で刀を向ける恭太郎。
で、東が…何で!?一瞬何が起きたか分からなかった。
だって、あの笑顔は嘘じゃないだろう。という今期最強の引きで次回へ。








『JIN−仁−』第8話感想。

前回の予告からもう嫌な予感しかしない今回。今までの修正力は結構容赦なかったし、
お初の時と同じように未来のミキに重大な影響を与える出産だから、
修正力も見逃してくれなさそうな気がしてしょうがない(泣)。

そのせいか偶然か、すでに臨月にもなるのに胎児が逆子に。
ただでさえ修正力によるプレッシャーで憂鬱な仁は、ますます追い込まれ眉が寄りっ放し。
しかし福田が灸を試したり、病は気からとばかりに笑顔で仁や野風を励ます。
お産に関しては仁より福田のほうが経験があってなんとも頼もしい!

野風のお産がいよいよ困難になり、母体か胎児のどちらかを選択することになるが、
凄まじい気迫で「腹を切っておくんなんし!」と迫る野風。
現代ならもうちょっとどうにかなる事態だろうに。しかも仁は産科医ではない。
麻酔無し帝王切開を前に手の震えが止まらない仁を、咲が優しく励ます。
もうほんと咲がいないと駄目だな仁。絶対不可欠な存在だよ。

産声を上げない赤ん坊に皆が凍りつく中、咲が咄嗟に赤ん坊を逆さまにして叩く。
結果、羊水を吐き出して赤ん坊が泣き声を上げる。この対応は産婆の昔ながらの知恵だろう。
仁には出来なかったことかもしれない。咲、がんばった!見事!

しかし野風が意識を失い子宮から出血。お初の時の悪夢が甦る。しかも頭痛。
この時はもう駄目かと思った。修正力とか、神が与える試練とか、何もかも意地悪なのかと。
でもそうじゃなかった。こんな幸せな結末は、先週には予想できなかったよ…。
ルロンさんのネーミングにちょっと感動。日本語でもフランス語でもすごくいい名前!

龍馬の『船中九策』に自分が話した保険が入っていて、思わず膝から崩れる仁。
この時の気持ちは何だったんだろう。
歴史を変えられた驚きとか、龍馬が仁の言った事を取り入れてくれた感動とか、
何か色々ごちゃごちゃ混ざっていたんじゃないだろうか。








『JIN−仁−』第7話感想。

龍馬からの写真に書いてあった歌(川柳?)は、慣れてない仁には難しいかも。
単語に二重の意味を持たせるとか、何かにかけるとか、現代人はあんまりやらないからなあ。
しかもわざわざ(「すくう」を平仮名)で書くから余計にもう。龍馬ったら。

野風の招待で横浜へ。コーヒーやシャンパンは仁には懐かしいけど、咲にはカルチャーショック!
特に炭酸はびっくりだろう。ちっちゃい子が初めて炭酸飲んだ時ってものすごい顔するし(笑)。
そうして酔っ払いの咲という珍しい現象が見られたのだった。かわいかった。

野風が二年の余命を「二年も…」と言って涙を浮かべて微笑むのがもう泣けてしょうがない。
子供って本当にすごい存在だ。死の恐怖も薄れさせてしまうくらい強い。
仁もルロンさんも野風の命を優先させたいだろうけど、女性はそうは思わないかもしれない。
だってやっぱり赤ちゃん見たいよ。抱っこしたいよ。

龍馬は海に向かって叫んでることが多かったけど、今回の雪原の龍馬も良かったなあ。
ちょっと淋しげな感じ。いつもテンション高くしてはいられないよね。


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