処刑人「THE BOONDOCK SAINTS」(未開の地の聖人)
 ◆1999 アメリカ・カナダ合同作  ◆2001 日本公開  ◆監督/脚本=トロイ・ダフィー  ◆キャスト=ショーン・パトリック・フラナリー ノーマン・リーダス
ストーリー=敬虔なカトリック信者だったマクマナス兄弟は、ある日『悪なる者を滅ぼし、善なる者を栄えさせよ』という神の啓示を受ける。兄弟はイタリアン・マフィアの幹部や殺し屋を次々に血祭りにあげ、一方、兄弟が起こした事件を追うスメッカー捜査官は、法で裁けない悪人を処刑する兄弟の行為に次第に共感を覚えるようになっていた。身の危険を感じたイタリアン・マフィアのボスは服役中の殺し屋イル・ドゥーチェを仮出獄させ、兄弟たちを殺そうとする。 ■兄弟が教会のミサに参加しているところから始まります。実はここでもう銃乱射かと思ったけど、全然違いました…。キリスト像の足にキスすることから二人の信心深さが窺えます。そこからオープニングになるのですが、曲がアイリッシュ系だ!これだけでもう私にとっては見る必要性大。どうやら兄弟はアイルランド系移民という設定らしいです。
■兄弟の部屋を見てびっくり。一部屋の中にトイレもシャワーもあるのか!しかも仕切りとかナシ。外国ってそうなのか!?すごいなあ。
■最初、二人のどちらが兄でどちらが弟か知らずに見始めたけど、何となくわかってきます。決定的なのはやはり序盤の馬鹿力シーン。弟の危機に際して、便器を引っこ抜いたのが兄でしょう。何故便器かというと、ケンカで二人を恨んだマフィアが部屋を襲撃し、手錠を便器の後ろに通して兄を繋ぎ、弟に銃を突きつけて拉致したからです。馬鹿力で引っこ抜いた便器を五階から外にいるマフィアに投げつけ、兄はもう一方のマフィアめがけて落下!弟はびっくりしたでしょう。上から兄と便器が降ってきたのですから。こんなシーン初めて見た(その1)。そして気絶した兄を担いで弟はよろよろ逃走。 ■自首して警察の留置所に泊まった晩、ここでようやく神の啓示があります。言葉も交わさずに処刑を決意する兄弟。でも昨日まで一般人だったので、急に暗殺者になっても何の知識もありません。今まで見た映画を参考に、兄が「チャールズ・ブロンソンはいつもロープを使ってた。」と主張し、弟は「ランボー」を真似してサバイバルナイフ所持。しかも007を真似してマフィアのいるホテルの通風孔から侵入!どうなる、にわか暗殺者! ■二人で狭い通風孔を這って進むうちに、ロープが重いだの何だので取っ組み合いのケンカに。普通お兄ちゃんって冷静なフォロー役なのに、弟と一緒になって取っ組み合いしてどうするんだー!狭い通風孔で暴れて当然のごとく天井が抜け、マフィアの部屋のど真ん中に落ちるか…と思いきやビギナーズラック発動。ケンカの元になったロープが絡まり、部屋の中央で二人で逆さまの宙吊りに。そのまま全方位に銃を撃ち、マフィアを一挙に始末。すごかった…!こんなシーン初めて見た(その2)。
■それから兄弟は友人の運び屋を仲間に加えて、処刑を重ねるけど、3度目の時にマフィアの殺し屋と遭遇。3人とも傷を負います。銃創は医者に見せたらやばいので自分達で手当てをして、その時に出ました、アイロンプレイ!(って他サイトの感想にあったんです。)化膿を防ぐためか傷口にアイロンをあてるんだけど(うぎゃー)、まさか運び屋が家を出る時あわててうっかり持ってきたアイロンが、こんなところで役に立つとは。
■3人を追う捜査官は、登場から変わった人でしたが(語りが陶酔してるっぽくて、捜査中のボルテージが並じゃなく、仕種も変)、だんだん法と良心の間で悩み始め、兄弟達を手助けする決心をします。マフィアのボスの処刑に行った兄弟達に加勢しに行くのですが、何で女装する必要があるのかな!?前からゲイとオカマを罵倒していると思ったら、この人自身もそうだったのか
■もう一つあった、こんなシーン初めて見た(その3)。口を手で塞いでその上からキスするシーン。これは今までになかったのでは。外人のやることはかっこいい!
■音楽演出も、ミサ曲やアリアなど効果的に使われていて良かったです。
■マフィアのボスの裁判に兄弟が現れ、ボスに銃を突きつけて宣言。「罪悪にも程度がある。度を越すと俺達の出番だ。」祈りを捧げた後、公衆の面前でボスを射殺。そして街の人のインタビューで物語りは終わります。この映画は不快に思う人もいるかもしれない。問題提起というよりは、はっきり処刑を肯定しているようだし。でも他サイトで読んだけど、監督自身が劇中と同じような暴力が日常的にある環境にいたらしいです。安全な環境で暮らしている人と、理不尽な暴力に晒されている人とでは、意見は大きく違うでしょうね。


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