実は頭脳派じゃなくて格闘系! ジェヴォーダンの獣 ◆2001年 フランス  ◆キャスト=サミュエル・ル・ビアン ヴァンサン・カッセル
ストーリー=1765年、ジェヴォーダン地方で謎の獣による殺戮事件が多発。獣の正体を突き止めるため、国王は博物学者フロンサックを派遣する。フロンサックは獣を追う一方で、貴族の令嬢マリアンヌやその兄ジャン=フランソワ、謎の娼婦シルヴィアとも色々問題を繰り広げる。
■フランスで「クリムゾンリバー」を上回る大ヒットを記録した映画。18世紀に実際にあった事件を元にしたそうです。雨が降る中、コートの襟で顔の半分を覆っている二人が馬に乗ってやってくるシーンが印象的。目しか見えないのがどきどきしますね。
■さて、冒頭を見ただけではゴシックホラーかな、と思うでしょう。しかしいきなりすごいアクションが!主人公フロンサックの従者マニが、複数の敵相手に棒術アクションを繰り広げます。雨の中、泥水が跳ねるところがスローモーションになったり、演出もかっこよかったです。編集やアクションに香港のスタッフが関わっているそうで、実はホラーと思いきやアクションが大半を占めているのでした。やられたよ〜。
■貴族のお城についてから色々な人達との出会いがあります。貴族の息子トマが、都会から来たフロンサックの後にくっついて色々聞きたがります。ベビーフェイスでかわいいです。ヒロインの令嬢マリアンヌが、色気よりはかわいらしさがあって良いなあ。そしてマリアンヌの兄、ジャン=フランソワ。「クリムゾンリバー」に出ていたヴァンサン・カッセルが演じています。最初、貴族風の長髪が何だか似合わないなあと思ったけど、見慣れるとだんだん病的な雰囲気を醸し出していていい感じでした。片腕を無くしているので、「クリムゾンリバー」で見せた華麗なアクションは見れないかなあと思っていたのですが…! ■フロンサックは捜査を進めるけど今一手がかりは掴めず。獣捜査の他にも令嬢マリマンヌと娼婦シルヴィアの間でふらふらしたりと忙しいです。従者マニも華麗なアクションを繰り広げて大忙し。このマニがかっこいいです。顔立ちがどこか民族的だと思ったら、インディアンという設定で、フロンサックとは戦争を通じて知り合い、義兄弟になったようです。殆どセリフがなく物静か。武器は滅多に使わずほとんど素手で格闘します。脱ぐとすごい(タトゥーが)。
■終盤、フロンサック、マニ、トマの三人で獣を追跡。トマは連れて行くと危ないんじゃないかと思ったけど、ボーガン片手に頑張ります。でも負傷。それよりマニがふんどしなので心配でした。露出が多すぎて、獣に少しでもひっかかれたらアウトじゃないか!でもマニだからうまく避けています。かっこよすぎ!
なのにマニが殺されるのです。一番好きだったのにー!フロンサックも当然嘆き悲しみます。そして、この映画一番の見せ場!フロンサックが敵地に単身攻め込むのですがそのアクションがものすごいマニを凌ぐ格闘を見せます。今まで銃とかちまちま使ってたのに!そのバリバリ格闘アクションは何!?マニがいなくなって急に頭脳派から格闘系になった主人公に呆然
■そして終盤。待っていました、フロンサック対ジャン・フランソワ。またヴァンサン・カッセルの華麗なアクションが見られて嬉しかったです。いやー、ヴァンサンに格闘やらせないのは勿体無さ過ぎるって。今回は変な武器使ってました。普通の剣かと思いきやいくつかに分裂して、それぞれ鎖で繋がってるので剣が伸び縮みする…何とも変なものでフロンサックを圧倒!
獣の正体は、人間が利用する為に造り出されたものという結論でした。まあ仕方ないけど、もっとホラー色が強い話だったら、幻想的な正体でも良かったかも。何となくスリーピー・ホロウのようなのを期待していたので…。

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