サイレントヒル リベレーション3D

監督=マイケル・J・バセット 主演=アデレイド・クレメンス

 ※前作を含めたネタバレ満載なので、未視聴の方はご注意ください。ネタバレ反転させるところもあるし、反転なしで書くこともあります。
■サイヒルの映画化2作目!前作から7年経っているけど、ファンはいくらでも待てるので大丈夫。幸せ〜!しかし心配な点が二つあった。一つは今作の監督が、前作でゲームの雰囲気を完璧に再現してくれたクリストファー・ガンズではないこと。もう一つは、前作でのアレンジ(娘には片親ではなく両親がいた、そして終わり方がGood+ではなかった)が今作にどう繋がっていくのか、または別のストーリーになるのか。
■事前に公式HPをざっと見ると、ヘザーとハリーが出てくるので、ゲーム原作準拠で、前作とは繋がっていないのかなと思っていたら、そんなことはなかった!そこがなんというか、嬉しい誤算だった。原作のハリーも好きだし、前作のローズも好きだったから。
■3D映画は『トイ・ストーリー3』でしか観たことがいので、実写で3Dというのは初めて。いやー、3Dっていいね!映画館に行ってホントに良かった。敵の刃物がこちら側に飛び出してきて身が縮まったよ。感動したのはサイレントヒルに降る灰が、スクリーンより手前の客席にまで降っていたこと。観客までサイレントヒルに連れて行ってくれる3Dありがとう!
■ストーリーの始まりはゲームと同じように、遊園地inヘザーの悪夢から。やっぱりゲームのシーンを実写で再現してくれるとテンション上がるわ〜。実は血塗れマスコットのロビーが、映画ではびょんびょん動くんじゃないかと密かに期待していたんだけど、そこは大人しくしていました、ロビー。袋詰めなのに口元にはしっかりケチャップだったので満足(笑)。
■追っ手から逃れるために名前を度々変えるという原作設定を生かして、前作のクリスがハリーに。シャロンはヘザーに。前作ラストでは霧の中から抜け出せなかったシャロンは、なんとローズの尽力でこちら側に戻されていたのだ。ローズーーーー!!(泣)母の愛は霧より深し。ちらっとでもローズが出てきて嬉しかった。
■原作より深く描かれていたのが、ヘザーの他人を拒絶する孤独な性質。流浪生活で定住出来ないため、わざと友達を作らず、それでも平然としている。気の強さがビシバシ伝わってくる丁寧な描写は、さすが映画だなあと思った。そして原作と大きく違う設定にされたヴィンセント。お前こんなところからもう登場するのか。(裏切ったりしないだろうなあああああ!)。ヘザーと同学年の、人当たり良さそうな青年になってた。うん、扱い良いね(笑)。
■ダグラスが、(思ったよりも早いご退場で……(泣)。いやー容赦なかったわ)。ハリーは、原作ハリーとはもちろん風貌が違うんだけど、父性が滲み出てて、やっぱりショーン・ビーン最高〜!クローディアは原作そっくり!年齢設定違うんだけど、眉ナシにすると途端にクローディアだなあ。
■映画はゲームより時間が短いけど、そんな中でもゲーム内の舞台が再現されているとやはり嬉しくなる。ショッピングモールにサイレントヒルがちょっと出張してきて、風景がおどろおどろしくなるところとか、金網エレベーターにいる時に敵が迫ってきたりとか。後に出てくるモーテルや病院、遊園地のメリーゴーランドも、観ててニヤニヤしてしまった。ホラー映画なのに(笑)。
■ヘザーがダグラスを警戒してとっさに手近なものを掴んで構えたら、鉄パイプ!しかもちゃんと先がカーブしてる原作通りの鉄パイプ。私、ここが一番テンション上がったかもしれない(笑)。
■そして自宅アパートへ。ここで驚きの展開が。ハリーの死体がない!生きたままサイレントヒルへ連れ去られたーー!!おおお、ゲームより映画のほうが展開が優しい!)。ダグラスの役目をヴィンセントが引き継いだ様子。モーテルでの出来事は、(手酷く裏切るんじゃないかと思っていたら、意外と素直に白状したし、心情的には完全にヘザーの味方っぽい。原作設定から、なんというか、昇格したよねヴィンセント。)。
■霧の中に見えるサイレントヒルの看板!ああ、ここに行って記念撮影したい、マジしたい。サイレントヒルの表から裏へ変わる瞬間、前作と同じように、壁の塗装やコンクリートが剥がれて骨組みだらけのサビサビになっていくのを観て「キターーーーー!!」って心の中で叫んだ原作ファンがどれだけいることか。今回は『変わる瞬間』が少なくてちょっと残念。
■病院でレナードと対峙するヘザー。ここドキドキしたなあ。会話してる時に、「そういえばレナードって中ボスだ!」って思い出して。映画はゲームより戦闘しないとはいえ、ここだけは頑張らなければいけない。ヘザー頑張ったよ!!(手を…突っ込んだよ!ジェイムスにも負けない男気でした。
■もう一つのテンションが上がるシーン、三角頭の登場。お待ちしておりました。(三角はヘザーを守ってくれるらしい。なんて最強なボディガードだ)。そして今回もナースが登場。ゲームでも映画でも大人気。やっぱり外せないか。前作では光に反応したけど、今回は音に反応する。ナース部屋に突っ込まれたヴィンセントは台に拘束されていたため、物音を立てずにすんだけど、ずーーっとこのままというわけにもいかない。音を立てないように拘束を解こうとするシーンでは、観ているこっちも息を止めてしまった。しかしヘザーって頼りがいあるなあ。サイレントヒルに来るまでは、戸惑ったり恐怖に慄いたり、当たり前の女の子だったんだけど、覚悟を決めてからはホントかっこいい。
■遊園地のメリーゴーランドで(メモリーオブアレッサ)と対峙するシーン。ゲームにおいても重要シーンなので、再現してくれてありがとう監督と思った。感慨深い。炎に包まれるところが迫力ある〜!ここで何故か三角頭がね…(メリーゴーランドを動かすハンドルみたいなのを、キコキコ回してた。え…三角さん、メリーゴーランド回し係なの?なにやら楽しそうに回してたよ)。 ■ラスボスと対峙するシーンは、ゲームではもちろん銃器を駆使して戦うんだけど、映画ではどうするんだろうと思っていたら、(三角さんが来てくれた!代わりにラスボスと戦ってくれたよ。味方でよかった。ゲームでは処刑人の意味合いが強い三角さんだけど、映画ではアレッサの守護者。恐怖感は薄れるけど心強いことこの上なし(笑))。
■ハリーは(未だ霧の中にいるローズを探す為に、サイレントヒルへ戻っていく。ヘザーは気の毒だけど、ローズのために戻ってくれて嬉しかった)。帰りのヒッチハイクでトラヴィス登場!私は『サイレントヒル0』は未プレイだけど、名前は知ってた。おおお、このごく普通のおじさんが、ガンシューティングをバリバリやるのね…。
■総括感想。まずはヘザー役の女優さんについて。最初は似てないなと思った。ゲーム原作のヘザーはもうちょっと童顔。でもあれは日本人ユーザーの感覚に合わせてキャラデザしたんだろう。実際、外国人の女子高生はもっと大人顔ということか。しかし映画が進むにつれて、やっぱり俳優の演技ってものはすごいなと思った。似てる似てないではなく、演技でねじ伏せる。
■映画そのものについて。観てて楽しかった(笑)。ゲームのシーンやモンスターが出てきたり、ヘザーが白ベスト着たり、そいういうとこでテンションガーーッと上がる。しかしゲームと決定的に違う点が、映画とゲームの雰囲気を分けたと思う。(ハリーの生死は、ヘザーの覚悟や悲壮感に大きすぎる影響を与えるだろう)。ゲームの方が、絶望の中でそれでも進む強さや、切なさがあったと思う。でも映画では、若者達が希望を持って進む姿を描きたかったんだろう。映画のヘザーにはそっちのほうが合ってる。ハリーも……(ショーン・ビーン殺すのは惜しすぎるだろ!ってことだろう。分かるよ(笑))。
■前作の霧の不気味さや、表と裏の謎、絶望的な状況でも子供を取り戻そうとする親の必死さ、切なさ、それが今作にあるかと言うと、根本的に違う。今作は若い子供達の物語。恐怖や切なさなど吹っ飛ばしてがむしゃらに先へ進む冒険もの。そういう印象を受けた。前作と繋がっていても、テーマはきっと違う。だから、まあ前作の方が好きという人は多いかも。私はこっちも好き。ヘザーが実写で、あの白ベスト着て奮闘しているのを観れたってだけで大満足だし、三角さんも3Dで観れたし(笑)。あの遊園地とか、画面の雰囲気も好きだった。
■で、次回作は……どうなのかな。あってもいいんですよ。そろそろジェイムス出たいんじゃない?また何年でもお待ち申し上げております。






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